協力工場での問題点
協力工場の実態
システムは ”受注生産” 向きになっている。
協力工場は”受注生産企業”です。しかし、受注品目は同一品目の繰り返し、注文確定は前日から1週間前です。
このために期間内示 → 日別内示 → 日別確定 → 出荷指示と繰り返し置き換えデータが送られてきます。
”確定“してからでは、納期に間に合わないので
”内示”で作って”確定”で出荷することになります。
内示/確定差を、”常に、正しく、速やかに、みんなで共有” する仕組みが必要となります。
内示で作って確定で出荷すると、出荷ロットサイズと工程毎の生産ロットサイズが異なることが多く、ロットの紐付け(製番管理)が難しい(なじまない)です。
▶ 一品もの受注生産の「個別受注生産システム」では、協力工場にはなじまない。
システムは工程をどう捉えているか?
大雑把に言って「親メーカ」は組み込み部品の調達と組立計画です。「外注」には単一作業工程のみ行ってもらいます。
これに対して「協力工場」は、材料手配から一品目内各工程の個々の加工計画を立て、納期に間に合うように製品出荷するまでを”工程を辿って管理”します。
▶ 多くの生産管理システムは品目ベース。協力工場では工程ベースで管理しなければなりません。
▶ こうすることによって1品目は1品番で管理することが出来ます。
システムが細切れになっていませんか?
1件の取引データは売買/在庫/進捗等々複数の情報が多重に格納されています。
コンピュータシステムはデータを多重に多回に使い回さないと費用対効果が出ません。
マスタの維持には多大な労力を要します。各サブシステム毎に個別に運用するシステムでは、同じデータの繰り返し入力が発生したりデータ統合や共有による高度な運用が出来ません。
▶ システム運用は統合システムの中で必要な機能を必要な精度で運用できることがポイントです。
(特に中小企業では)生産管理だからといって物の管理だけをすればよいわけではありません。
協力工場でのシステム化の問題点
確定しない状況で行動を開始
確定受注では間に合わないので、“内示で生産、確定で出荷” することになります。
このギャップを追いかけることが必要となります 。
単価は後から決まります。取引時は、単価未決定/仮単価で行いますが、翌月清算する前に単価の振り直し/金額再計算を行います。
ロットが紐つかない → つけられない
納入ロット、品目/工程生産ロット、仕入ロットのサイズが異なります。生産時は“内示”だが、出荷時には“確定”に変わります。
“先入れ先出し”の移動が守りきれません。
▶ “製番紐つき”の管理はなじまない。(難しい)
今でも現場で実施されているSNS(累積進度管理)が望ましい 。
▶ “受注ロット”単位/月単位の管理はなじまない。
進捗はSNS、実際原価はBOMを通した原価積み上げが適しています。
ロットの紐付
得意先からの指示で、確実な品質保証(生産履歴)のために、手書きノートではなく仕掛けとしての「ロットトレース」が要求され始めています。「ロットトレース」に必須の『現品票』は、作業直後の発行が基本ですが、実務処理として難しいです。
▶ 「後追いトレース」での対応ができます。
指示通り動けない現場
現実問題として社内加工区/外注先のいずれも指示通りに[納期][指示数]がなかなか守ることができません。大手のような“シングル段取り”は難しいので、現場はどうしても段取替えしないで継続生産をしたくなります。
● 残り少ない材料は打ち切ってしまいたい。欠品による納入遅延はしたくない。
● でも、前回の余剰分は忘れてしまう
● どうしても作りすぎてしまう
● “指示通り”を前提にした「MRP」は運用しにくい
▶ 常に実績ベースで現状を把握して、その結果で次の対処を判断できるようにすべき!
実績データが速やかに、正しく、収集できない
できるだけ手間をかけないようにQRコードやHTを利用していく生産設備から、「シリアル・イーサ変換」等で直接データを取得することも考えられます。
タブレット端末による現場での直接入力も考えられます。
工程間の流れを捉えなければいけない
完成品にある在庫は一部で、多くは仕掛かり工程にあります。
工程の長い物は意図的に途中まで加工しておいて(工程間滞留)、受注が確定したら納期に合わせて残りの作業することがあります。 外注に有償支給している品目も、経理処理的には管理対象外かもしれないが生産管理の立場からは管理する必要があります。
受注ロットと工程毎の生産ロットサイズが異なり、確定注文前に初工程生産は開始される為、生産結果としての工程間在庫を捉えていなければいけません。
親メーカは JIT(ジャスト・イン・タイム)によるモジュール部品手配と社内の組み立て指示のみです。自社の外注は単一作業のみを行うだけで、いずれも工程間の滞留在庫を考える必要はありません。
協力工場のみが、材料の手配から構成品そして製品へと、工程の流れを辿ってすべてのポイントを管理しなければなりません。
「生産管理システム」が無駄を省いて費用低減しても、“物は作ってくれない”
生産設備への投資は出来ても、管理の仕組みのために同様な投資は難しく多くの協力工場では、専任担当者ましてや部署を設置するのは大変です。しかし、生産管理システムのカバーする範囲は非常に広範です。さらにシステムは、自社の成長客先や社会の変化に対して常に改変/変革していかなければなりません。
これを自社の少人数の力や費用で賄い続けることは非常に難しいものがあります。
“力のある責任者、知識のある管理者、時間のある担当者” この3つの職務を担う人の顔がみえますか?
受注情報は取り込めていますか?
DPCでは、手入力での入力は当たり前、Excelからの取り込みも出来ます。
現在ではon-lineデータが主流で、多くの得意先は独自仕様の情報を発信しています。
多くの注文は、1回きりの確定注文ということはあり得ません。期間内示 → 日別内示 → 変更 → 確定というように移行します。
通常「注文番号」での特定は出来ません。
過不足無く置き換えて統合された最新受注情報が必要です(連続置換)
DPC では標準で各社の「EDIデータ取り込み」を実装しています。(過去ご相談を受けた全ての取り込みを実装しています。)
UN-EDIFACTデータも直接取り込んでいます。(変換後も実装)
変換後データを使っても結局は「EDIFACTトランスレータ」は再購入がひつようとなります。